本が届きました。
…結構朝の方に。もっと夕方等でよかったのに…(^^;)身勝手
以前、彦造さんの画集をご覧になった方が、
「おなかいっぱいになった。」と
どこかで漏らしていたような記憶があるが、正に。
「腹いっぱい」というか「胸いっぱい」というか。
この方の絵は、なんだか不思議な感じがする。
緻密で、リアルで、バランスも非常に魅力的で…、
構図も迫力とか緊迫感とかあって、静と動があって…
嗚呼!上手い言葉が見つからない(^^;)
見ていると妙な感覚に陥るというか…引き込まれていくような感覚に陥るというか…。
その絵を見ている自分の存在一切が無くなるというか。
全ての意識ががっちりと掴まれ引き込まれてしまう。というか。
おそろしい位に。
それと、自分にこれまでに無い部分に入り込む感覚。
自分の憧れとするいくつかのものたちの、これまで入っていなかった
ずっと渇望していた、そんな空白に。スコンと入ってくる様な。
まだ一通りしか目を通していないが、もちろんこれで全てではないのだよな。
もっと、もっと見たい!!と思った。
今回の本も一冊の画集としては大ボリュームだが、
他にも画集あっても良いのにと思う。
中に「9歳の頃描いたと思われる絵」というものがあったが、
誰に習う前にこれ?と思うような…
自分、今でもこんな絵描けんばい。と思うような、そんな。
描ける人はデッサン詰とかやらなくても描けるもんなのだろうか…等と思ったり。
あるいは、小さな頃から自らいろいろと好きで描いていたのか。
にしても、なんちう才能。(才能と言っていいのかな。)
よく「どうやったら絵が上手くなりますか?」という質問をして、
「そんなのは描かなけりゃ上手くならないよ。」と当たり前に返されるが、
自分、思わず口を突いて出たよ。「どうやったらこんな上手くなれるんだ…」と(笑)。
なんだか、自分のこれから一生かけても彦造さんのこんな絵は描けないのではと
そう思うと、思わず。ぽろっと。
なんだろうね~…
絵(の技術とか)だけじゃないんだよな。多分。
彦造さん自信の経験したもの全てによっても描かれているんだよな。
これらの絵は。やっぱ見てないものは描けんな~…。
剣の表現とか…多分体術というか動きとか、
そういうのを見て、体験して。少しは血もあったか(血統な)。
そういえば、画集の中で「をんや?このポージングは…(どこかで見覚えが)」
と思った絵があって、そう思ったもう一つのイラスト(とある別人画集のゲスト絵)
を見たら、そのイラストに関連したコメント(対談)の中に、
彦造さんの名前が!(ちゃんと読めよ自分(笑))
彦造さんの挿絵をリアルタイムで見ることが出来てる人も確かに居るんだよな…(羨)。
自分が彦造さんを知ったのは(前にも書いたか?)新聞で「追悼展(?)」があるという
そこに載せられていた小さなイラストだったか。
そこでもう一気に惚れたんだが(^^@)(展覧会に行けたのではなく、その小さな絵で。)
彦造さんの娘さんの描いた絵も少し載せられていたのだが、
その注釈というか娘さんの事に付いて少し書かれていたことによると、
娘さんもすばらしい絵の才能を受け継いでおられたようで。
雑誌の挿絵を描いていると、父彦造さんと絵があまりに似ているために、
彦造さんが偽名で描いているというように噂されたそうだね。
それを耳にした彼女は「これ以上描くと父に迷惑がかかる」と
それ以後きっぱりと絵を辞めたのだとか。(後は日本舞踊の師範になられたとか。)
もったいない、と思ってしまうな。やっぱちょっと。
しかし…絵をきっぱりと辞めても、舞踊の道で師範にまでなられるとは…。
これも才能か。
しかし、彦造さんのご家族のお話しだと、彦造さんも大変な努力家というか、
一切手を抜かない性格というか。そんなだったそうだから、
努力できる才能をお持ちの血筋だったのかな…。
画集購入前、これもどこかで目にしたコメントだったが、
彦造さんの絵は血が出てたりというのが多い。とか、そんな事が書かれていた記憶が。
それをみて、(自分は彦造さんの絵をこれまであまり多く見られていないので)
ちょっと恐る恐るだったのだが
(自分はあまり大量の血等は美しいなどとは到底思えない性質なので)、
「血がメイン」という描かれ方はされてない印象を受けたので(血も大量ではなかったし)
大丈夫でした。(表現上必要な量の描かれ方な印象。)
ちょっと怖い絵はあったけどね(^^;)。
(でも、本中どこかに「自分の血で描かれた絵」みたいなのがあったような…。)
(まあ、それは絵の表現とは別の話なのでいいのだけど。)
うっし! がんばろう。自分も。
自分が目指す所(自分の理想とする絵にいつかたどり着く事)に
妥協の余地は無いんだよな。
私のボスが言ってました。自分に身についたものは失われないと。
物や金は失われる事があっても、自分に蓄えられた能力等は無くならない。
自分への投資を惜しんではならんね。